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『ウラジミール・ソロヴィヨフ 幻視者・詩人・哲学者』【感想】
ウラジーミル・ソロヴィヨフ――幻視者・詩人・哲学者
井筒俊彦氏の著作を読んでいるときロシアの「霊性 Spirituality」哲学や形而上学を知りたいと思い、そのなかで特に心霊的・オカルト的な事柄についても偏見なく理解を示しているような哲学者か思想家・宗教家がいないかと探していたところ「ドストエフスキーをはじめ多くの文学者に深甚な影響を与えた思想家・哲学者」という紹介をたまたま目にして、ウラジミール・ソロヴィヨフ(1853-1900年)を知り興味を持ちました。

ソロヴィヨフが産まれた年に日本ではペリーが浦賀に黒船で来航し、そして日露戦争で活躍する戦艦三笠が進水式が行われる前の明治33年に47歳で没しています。大正以前、19世紀の哲学者というわけです。

一応本書を読む前に北海道大学・杉浦秀一先生の論文『ロシア・プラトニズムとウラジミール・ソロヴィヨフ』『ウラジミール・ソロヴィヨフとオカルティズム』がウェブ上に公開されているので読ませて貰いました。まったく知らない状態から読み始めるのでソロヴィヨフについて少し理解をしておきたいと考えました。

ロシアはキリスト教のロシア正教会が主流なので、ソロヴィヨフもその信仰のなかにある人物だと思っていたのですが御子柴道夫先生の丁寧に調べあげれられた資料から読み取れるのはロシア正教(東方正教)とカトリック(西方教会)の信仰の間で揺れる、独り孤独な探求者としての哲学者ソロヴィヨフでした。

「入門編」として充分な内容に感じましたが、ソロヴィヨフにまだ馴染みも学びも薄い浅学の私にとっては、ソロヴィヨフのロシア霊性を理解するまでにはいかないものでした。ロシアのスピリチュアリティーは、かなり奥が深いようです。

ソロヴィヨフが女性達と、どのような交際をしていたのか御子柴先生の茶目っ気のある「エロス」の章では、性や女性との関係に悩める真摯な男性哲学者としての姿が考察されていてソロヴィヨフが身近な存在に思えてきます。ソロヴィヨフに対して私が抱いたのは「哲学を生きる」といった姿勢でした。イエスの姿を常に頭の片隅に彼は行動をキリストに倣わせることに心を置いていたようです。今流行の言葉で言えば「キリスト意識」に自らを同調させる生き方を目指していたわけです。

今回本書のなかで神智学運動についてソロヴィヨフがどのように感じていたかの件が、少々興味をひかれたので紹介しておきます。
彼によると、その危険な発症がエレーナ・ブラヴァツカヤたちの、ネオ仏教(西方仏教、秘儀仏教)あるいは神智学と称される運動であった。ヴェンゲロフの『ロシア作家簡易伝記辞典』に彼が寄せた記事のなかでも、神智学運動は一八七五年にアメリカで始まりその後インド、最後にヨーロッパに移ったが、多くが霧に包まれていると簡単にその輪郭に触れられているが、若干補足しよう。 ・・・中略・・・
 ソロヴィヨフはブラヴァツカヤの三部作『神智学への鍵』『ベールを脱いだイシス』『シークレット・ドクトリン』を検討しつつ彼女の謂う神智学の正体を暴くが、仏教と関連させた一、二の論考だけに軽く触れよう。 ・・・中略・・・ 仏教の根本的性格は神を認めない点にあると定義される。仏教教理は唯一神を否定し、また多神教のうちには、自分の努力ですべての形態とと存在規定からの解脱(ニルバーナ)に達した人間=仏陀に比べて低次の範疇の存在しか見ない。ネオ仏教は原始仏教から離れぬままに、個人の霊と絶対原理の関係を、あるときは両者を同一視し、あるときはその差を主張して、曖昧に説明するが、真正の原始仏教は、普遍存在も個人存在も等しく否定し、こういった問題自体を廃するのである。結局次の一文がソロヴィヨフの結論である。「ブラヴァツカヤ氏とその一党の『神智学』のうちには、自分固有の宗教の組織や教義に満足していない半文化的ヨーロッパ社会の神秘形而上学的要求に、真正のアジアの仏教を適応させようというペテンの試みがうかがわれる」。
――「ウラジミール・ソロヴィヨフ 幻視者・詩人・哲学者」より
「エレーナ・ブラヴァツカヤ」って誰? とはじめ思ったのだけれど神智学協会のブラヴァツキー夫人のことのようです。ロシア語で正式には女性である彼女の名は「ブラヴァツカヤ」と読むのだという。「ブラヴァツキー」という訳語は誤っているそうだ(今度からブラヴァツカヤ夫人と書こう!)。

この文脈で判断するとソロヴィヨフは霊性の「伝統主義」的な考え方を持っていたのではないかと感じられます。今で言えば南伝仏教のような上座部仏教(テーラヴァーダ)のような原典に近い形の仏教しか認めないような。なので、今でいうスピリチュアルやオカルトとは全く対極にいた思想家。だけれども、硬派な哲学者であったことが分かってくる。
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2012.08.05 Sunday | Category[2]スピリチュアル:読書の痕跡 | comments(0)

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